チューニングピンのみ交換作業 [ピアノ修理工程]
ピアノは置き場所や湿度管理によってはチューニングピンだけが緩くなる時があります。
このカワイUS-50は弦やアクションはコンディションが良いのですが、チューニングピンが緩かったためピンだけを交換する事にしました。
*交換前のピン
弦はそのままで古いピンを一つづつはずし新しいピンを今ある弦を巻きつけピンを打ち付ける作業です。
言葉だけの説明では分かりづらいですが、この作業はとても面倒な作業です
*交換後のピン
弦ごと交換するよりも音の落ち着きがとても早くなります。
アクション整調の下準備作業 [ピアノ修理工程]
アクションの動きを整調する事を「整調」と言います。
この作業では大量のパーツの検査、調整することになるのですが、その下準備となる基本的な作業を紹介します。
ピアノの鍵盤と外すと次のようにたくさんのピンが打ち込まれています。
フロントピンとバランスピンと呼ばれる鍵盤の動きの軸となるパーツです。
経年変化により黒ずみ、ひどいものは錆びてしまってガサガサになっているものもあります。
上記のような状態を一つずつきれいに磨きます
次にピンを磨いたときに使用した磨き粉や薬品をキレ~イにふき取ります。
これをしないと磨いたことによって逆にすべりが悪くなり、錆びを誘発する場合があるのでとてみ重要なひと手間となります。
最後に潤滑性を持続させるためにシリコンを吹きつけます。
このようにピカピカになります! 誰にでもできることですが、基本的な大事な作業です!
鍵盤をスムーズに動かすための作業の一部のご紹介でした。
まだまだ全体を仕上げる作業は山積みです。
今後も折々ブログにて掲載をしていきますのでご興味のある方は是非ご覧いただけますと幸いです。
工房へ持ち込み修理 [ピアノ修理工程]
7月某日
工房に持ち込んでのピアノアクション修理です。
福岡市内にある保育園のピアノ調律を2台行なったのですが、修理が必要な部分があまりにも多く、
幸い翌日も朝からこの保育園にピアノ納品・調律の仕事が入ってましたので工房に持ち帰りました。
アクションのウィペンと呼ばれる部分と取り外されているのジャックです。
ジャックフレンジにブッシングクロス(赤)を通します。
カワイピアノのアクションですが、ジャックと呼ばれるハンマーを突き上げる部分の軸になるセンターピンを固定するジャックフレンジのブッシングクロスがセンターピンの摩擦で擦り減り、極度にガタついていました このフレンジブッシングクロスを交換します。
まず、古いブッシングクロスを剥がして、新しいブッシングクロスを写真のように通して穴を広げ、ジャックを取付けた後新しいセンターピンを打ち込みます。
カワイのピアノをお持ちの方で、鍵盤を軽く叩いてパカパカ音がするようでしたらほとんどこのような修理が必要です。
翌日、保育園のピアノにアクションを取り付けると保育園の方が「まるでピアノが変ったみたい」とビックリしておられました。
修理に1台7時間ほど時間がかかりましたがお客様の喜びが私の喜びに変った瞬間でした。
ピアノ弦張り替え作業など「ヤマハU3H」 [ピアノ修理工程]
ヤマハの[U3H]のチューニングピンがゆるく、低音弦もボン線(音が伸びない弦)も多いため弦を全て張り替えて出荷することにしました。
鍵盤のフロントピンも磨いてピカピカです。これで鍵盤の動きがとても滑らかになります。
ペダル窓のフェルトもきれいなグリーンのフェルトに張り替えます。
この後、時間をかけて調整・作業をして出来上ります。
ヤマハグランドピアノのオーバーホール作業工程6 [ピアノ修理工程]
ヤマハグランドピアノNO.G3(1965年製造 製造番号440039)を整備していきます。
過去作業工程:作業工程1 作業工程2 作業工程3 作業工程4 作業工程5
作業工程6
さあ、いよいよグランドピアノオーバーホールの完成です。
これから蝶番の錆びも落としてきれいに磨きます。
足の部分もキャスターも磨いてこのようにピカピカになりました。
このグランドピアノはマンションに搬入するので音ができるだけ静かになるようにこれから工夫します。
大城ピアノはお客様のご要望に応じてピアノの音が少しでも静かになるように、ピアノ静音(消音ではありません)
処理しています。
タッチ音色に影響ないのでとても好評いただいております。
金額も5千円位で出来ます。勿論アップライトも可能です。
これから作り方をご説明します。
まず、段ボールを使って型紙を作ります。ピアノの下にもぐり込み響板に蓋をする形でピアノの型紙を作るとこのような形になります。
この型紙を厚さ5mmのベニヤ板に乗せ、型紙とおりに板を切り取ります。
ベニヤ板を切り取ったら板がたるまないように補強棒を取りつけます。
補強棒をこのように三ヵ所取りつけます。手前角はこのように少し切り取ります。
切り取ったベニヤ板は裏返してカーペット(厚さ5mm、50cm×50cm を5枚)
カーペットをネジで固定したら裏返して、はみ出した部分を丈夫なカッターで切り取ります。
いよいよピアノに取り付けます。
画像のように後ろ脚側にはこのように板を作り2か所に取り付けます。
このように取り付けたら吸音板取り付けは完了です。
(この方法で取り付ければ簡単に取り外し可能ですのでいつでも普通の状態に戻せます)
次はピアノの表(譜面台側)の吸音です。
譜面のこの部分にピアノの幅と同じ長さにカットしたカーペット(厚さ約3mm、幅135cm、長さ50cm)をぐるぐる巻きつけこのように置きます。
これでピアノの静音加工終了です。
グランドピアノの音がアップライトピアノよりも静かになりました。
納品させていただくお客様に喜んで頂けたら嬉しいです。
6パターンに分けての作業工程でしたが、最後まで見て頂きましてありがとうございました。