鍵盤の重さ調整 [調律師のお仕事]
コンサートのピアノの音について [調律師のお仕事]
昨日糸島市二丈の龍国寺で「小川典子」さんのコンサートがありました。
私の工房にあるヤマハのG5Eをお寺に搬入してのコンサートでした。が、今更ながら気づいたことがありました。
工房ではまろやかな音に仕上げていましたが、コンサート前日お寺にピアノを設置して鍵盤を叩いた瞬間愕然としました。 鳴らない
フローリングの工房と違い畳の部屋の本堂は音がかなり吸収されてピアノが全く鳴りません。大変だ
ある程度予想はしてはいましたが、ここまでとは・・・・? 音を作り直さねば?・・・・
極薄めたハンマー硬化剤をほぼ全体に染み込ませ、それでも足りない時はもう一度染み込ませます。
そして、金属音のする音だけを一本針のピッカーを指してこもらない程度に柔らかくします。
約3時間かけて作業は終了しました。
本番の日、小川典子さんのリハーサルが始まりました。
モーツァルトを弾き終えた後一言「とても弾きやすいです」 この瞬間肩の荷が一気におりました。
それでも気になった音がありましたので、小川さんの許可を頂きましてさらに手を加えて音のばらつきをなくしました。?
しかし! 本番中に奇妙なことが起こりました。 なんと!聞く場所でピアノの音が違うのです。
正面で聞くと金属音がするのです。以外にも小川さんの後方が一番音がよかったです。
後でコンサートの主催であるコントラバス奏者に聞くと「音は客席では無くピアニストの聞こえる位置で音を作るのが正解」だと言われました。
コンサートはさすが小川さん!!! パワフルかつ繊細な演奏はまさに一流の音でした。途中で入るトークも楽しく、「こんな田舎で世界的なピアニストの演奏が聴けるなんて」とお客様はとても大満足されてコンサートは大成功に終わりました。
さて、コンサートが終わり、工房にピアノが搬入されてピアノの音を聞きました。「わーやかましい」
お寺の本堂に合わせた音が工房で聞くと派手な音になっていました。
「また音を作り直さなければ・・・・」
ピアノの音作りに忙しい2日間でした。?
ピアノ調律にかかる作業時間と料金について [調律師のお仕事]
一般的に定期調律にかかる時間と料金は1時間半から2時間の作業で10000円~20000円が相場です。
*定期調律とは・・・*
1年もしくは2年に一度の割合で音階を正確に合わせる事です。
大がかりなタッチや音色など(整調・整音)は含まれない事が一般的です。
しかし、これはあくまでも1年に1回もしくは2回の定期調律の相場であり、
初めてお伺いするお客様や長年放置されていたピアノなどは作業時間と料金も変わってきます。
私の場合、そのような状態のピアノの調律は約4~5時間かかることがほとんどです。
なぜならば、単に調律だけでは絶対にいいタッチ、いい音色にならないピアノが多いからです。
最初に、掃除から始まり、アクッション全てのネジ締め、ハンマーの整形、整調というタッチ調整、整音の前程となる同時打弦などを88鍵全てに対して行ないます。
ピアノに向かい始めてから音を出さない作業が2~3時間程続く事がほとんどです。
この作業が事前になされて初めて定期調律の準備が整ったと言えるのです。
料金については定期調律料金12960円(税込) プラス 10000円~20000円程度頂く事が多いです。
大城ピアノ(ピアノギャラリー・オオシロ)では以前に他で定期調律をされたいた場合は状態を見て値引きをさせて頂いております。
料金を比較する時は・・・
「どこまでやっての料金なのか??」という疑問を持って頂き、調律の依頼をされる事をお勧めいたします。
大事なピアノをいい状態で維持するためにご参考にして頂ければ幸いです。
技術研修会に参加 [調律師のお仕事]
9月8日に佐賀県鳥栖市で日本ピアノ調律師協会の技術研修会がありました。
私は会員ではありませんが一般の調律師も参加できるので参加させていただきました。
長年実用的な作業しかしてないので初心に戻って調律の理論を改めて勉強することが新たな発見もありかなり刺激を受けました。
写真は会場と今年から私の跡継ぎとして調律の修行を始めた我が息子です。
また、改めてご紹介したいと思っております。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
埼玉へ仕事兼ねての勉強に。 [調律師のお仕事]
日頃私達夫婦が親しくお付き合いさせて頂いてるピアニスト「竹井 詩保子」ご夫妻の家へ仕事と勉強のために埼玉へ行ってきました。
仕事は竹井さん所有のヤマハとスタインウェイのグランドピアノと新しくオープンしたコンサートホールのピアノ調律です。
クラッシックのピアニストと音とタッチについてじっくり語り合いながら調律するのは私にとっては大変貴重な時間です。
新しくオープンしたコンサートホールにはスタインウェイとヤマハのグランドピアノが完備されており、私はヤマハのグランドピアノの方を調律させていただきました。
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話は変わり、今回は埼玉だけでなく東京の観光もしました。
東京には15年位前から親しくお付き合いさせて頂いてるジャズピアニスト「青木 弘武」ご夫妻と対面することができてとてもラッキーでした。
前もって連絡したわけではなく、青木さんのスケジュールを見たら、何と!タイミング良く銀座の有名なライブハウス[銀座スイング]でライブがあるではありませんか!
こそ~と聴きに行くことにしました。
ライブ終了後に声をかけたら思惑通り青木さんがビックリしてましたので、サプライズみたいでお互いに嬉しかったです。
アルコールは入っております。
銀座スイングでは日本の一流ジャズミュージシャンの方々が毎日演奏しており、とても手頃な料金で楽しめるのにビックリしました。
次に日にはお仕事がないと言われたので、東京の築地を奥さまと二人で案内して頂きました。
日本一の魚市場を初めてみて、その活気溢れるダイナミックさに感動しました。
勿論、おいしいところへ連れて頂き糸島にも劣らない新鮮な魚料理をおいしく食べて築地を後にしました。
午後3時過ぎまでお付き合いして頂いた青木ご夫妻を別れ、私達夫婦だけでスカイツリ-に上りとても充実した東京観光を楽しみました。
この東京も後6年後にはオリンピックでまた一段と風景が変わるのでしょうね。
ピアノの整音 [調律師のお仕事]
11月23日に福岡市内のライブハウス”バックステージ”でジャズヴォーカリストのウィリアム浩子さんのライブがあり、仕事を兼ねて聴きに行きました。
http://hirokowilliams.com/J/Hiroko_Williams.html
http://homepage3.nifty.com/backstage/
休日の夜、福岡市内までコンサートを聴きに行くことはあまりないのですが、今回はPAの状態が悪い影響でピアノの音が固いので心配になり行ってきました。
今回は初めての試しでPAからピアノの音を出したままで整音してみたら大成功でした。
しかもピアニストのほうが甘い音色で演奏される方なので本当に良かったと思います。
ウィリアム浩子さんもさすがに素晴らしい歌唱力・超一流のメンバーから発するサウンドに観客は大絶賛を浴びていました。
ご拝読ありがとうございました。
ピアノと勉強能力の関連性と実現例 その2 [調律師のお仕事]
前回お話しましたピアノと勉強能力の関連性のお話の続きです。
大学に合格された塾の先生のご子息はお二人ともご両親から学問の英才教育をされたわけではありません。
逆に全く指導されなかったそうです。
塾の授業が忙しくて、とてもわが子の教育の時間が作れない状態だったのです。このことを聞いて改めて親の背中からにじみ出る力が子供にとってどれほど強い影響を与えるものなのか感動しました。
先生はよく生のコンサートにご子息を連れて行かれたそうです。
しかも学校を休ませてまでも。(とくに先生のお言葉の中で印象に残りました。)
先生が言われるのは「音楽は生の演奏でないと絶対に感動しない」と。私も全く同感です。
家庭でCDを聞くのと生で聴くのとでは感動が100倍違います。
先生がご子息の教育に一番こだわったのは学問ではなく、感動することだったのですよね!
現在ご子息は社会人となり、ご長男は弁護士、次男は国家公務員になりました。
次男の方は毎朝出勤前に必ずピアノを弾いて出かけるそうです。しかも朝食を抜いてまで必ず・・・・・そうすれば朝から頭が冴えわたるそうです。ご長男は”スクリャーピン”の研究にも没頭されておられるそうです。
ピアノと勉強能力の関連性を実現された方が間近にいらっしゃることは私にとってもとても幸運に思います。
この度は学習塾の先生のご好意でブログを書かせて頂けたことに深く感謝申し上げます。
ご拝読ありがとうございました。
ピアノと勉強能力の関連性と実現例 その1 [調律師のお仕事]
”ピアノを弾くと脳に良い” という言葉はよく耳にしますね。
その実現例になるご家庭に調律にお伺いいたしました。
私の二人の息子がお世話になった糸島市のある学習塾を経営なさっている先生のご家庭の事をお話ししたいと思います。
こちらのご子息はお二人とも幼いころから音楽がお好きで中学生の頃までは独学でピアノを弾いておられました。
中学生の途中から2週間に一回レッスンを受けていましたが、受験期間中でも決してピアノを弾くことを休ませんでした。普通は休みますよね。(笑)
先生が言われるには「ピアノを弾くと勉強能力がアップするから受験期間中だからこそ弾き続けろ!」と言われたそうです。
確かにあるテレビ番組で脳科学者の方が「習い事を一本に絞りたければピアノだけにしなさい。ピアノは記憶力や先を読む力などすべての能力を養う力があるから」 と話していました。
又、学習塾の先生曰く 「ピアノが嫌いな人は逆効果だから無理にはさせないほうがいい」 との事でした。
その結果先生のご長男は福岡の国立大学を現役合格し、次男の方は全国模擬試験をトップなり、東大も現役で合格されました。
(第2弾にてお話の続きをしたいと思います。)
ご拝読ありがとうございました。